“猫×テクノロジー”で技術の未来を探索する
富士通の先端技術を“猫”をテーマにプロトタイピング
「中原にゃん研」は、富士通デザインセンターのチーム「インスピラボ」とKonelが共創するプロトタイピングプロジェクトである。富士通が保有する先端技術を、これまでにない切り口で再解釈し、社会との新たな接点を創出することを目的としている。本プロジェクトでは、“猫”というモチーフを媒介に、技術の未来像を柔軟に探究し、ユニークかつ親しみやすい体験として具現化することを試みる。
Konelは体験プロトタイプの企画開発を担うとともに、自社メディア「知財図鑑」を活用し、プロジェクトのアウトプットを広く社会へ発信する役割を担う。拠点は富士通デザインセンターの所在する神奈川県・武蔵中原。中原に集う多様な専門性と創造性が融合し、新しいテクノロジーと生活者との関係性を模索する実験的な研究チームである。

Issue
テクノロジーと生活者の間にある理解の壁
現代社会においてテクノロジーはますます高度化・複雑化しており、専門知識を持たない生活者との間に大きな理解の壁が存在している。この状況に対し、「中原にゃん研」は、誰もが親しみを持てる“猫”をモチーフに、先進技術をやさしく伝えることを目的として立ち上げられたプロジェクトである。老若男女を問わず愛される“猫”をテーマに介在させることで、従来の専門的な技術説明とは異なるアプローチによって、新しいテクノロジーの社会実装と理解促進を目指している。
Creation
第一弾プロトタイプ「meowave(ミャオウェーブ)」
「meowave」は、生活に寄り添う新たな見守りの形を提示する体験型プロトタイプである。従来のカメラによる監視とは異なり、電波と音声を用いた非接触のアプローチによって、人の暮らしにさりげなく溶け込むことを志向している。本プロトタイプは、空間内の人の動作や心拍を検知し、それに応じて“架空の猫”がフィードバックを返す設計となっている。猫の存在は監視装置ではなく、あたかも空気や水のように生活環境の一部として機能し、ユーザーにとって自然な気づきをもたらすとともに、過干渉にならない適切な距離感のコミュニケーションを提供する。
たとえば、長時間デスクに向かっている場合には、猫が伸びを促すような鳴き声を発し、転倒や長時間の横たわりを検知した際には、心配するような鳴き声で反応するなど、ユーザーの状態に寄り添ったふるまいが設計されている。





