CHAOS to SIMPLE
かきまぜて、突き詰める
石川県金沢市に拠点を構える、大正12年創業の老舗氷屋「クラモト氷業」。創業から101年目となる2024年、5代目への事業承継を機に、1年をかけてブランディングを実施した。
Issue
技術の進歩により無感情になった氷に、再び感動を
1930年以降、電気冷蔵庫や家庭用冷凍庫、業務用製氷機の登場により、かつては貴重であった氷は誰もが手軽に作れるものとなった。その結果、氷屋という業態は衰退の一途をたどっている。その中で、クラモト氷業は「無感情になった氷」に新たな価値と感動を与えることで、氷屋の未来像を提示できると考えた。





Creation
純氷の製造工程とアイデアの生み出し方は同じ
純氷とは、不純物を含まず、極めて高い透明度を持つ氷である。水を72時間以上かけて攪拌しながら凍らせることで、水に含まれるわずかな空気や埃、不純物を取り除き、硬く溶けにくく、美しい氷が完成する。クラモト氷業が生み出すアイデアもまた、カオスからシンプルへ。多くの課題や相反する要素をかき混ぜることで、純度の高い、シンプルで強いアイデアが導き出された。ヒアリングを重ね、この構造を言語化し、創業以来受け継がれてきたDNAとしてコーポレートサイトを再構築した。
コーポレートサイト
トップページのファーストビューには、氷とクラモト氷業の過去から現在までの写真を用い、「かきまぜて、突き詰める」という思想をビジュアルとして表現した。UIは純氷のように無駄を削ぎ落とした無機質な構成としながら、写真や映像には情緒や人間味を感じさせる温かみを持たせ、クラモト氷業のDNAに宿る相反するものをかき混ぜた設計とした。
Future
氷の価値を拡張する
衰退が進む業界にあって、100年以上の歴史を持つ老舗企業へと成長してきたクラモト氷業。本プロジェクトでは、その成長の核となるDNAを言語化した。このDNAをもとに、クラモトの氷は日本国内のみならず、アメリカ、オーストラリア、シンガポールといった海外にも広がりつつある。これからも新たな課題を見出しながら、氷の価値をさらに拡張していくことを期待している。
Project Information
Project Owner
クラモト氷業
Team
Creative Director | |
Art Director | |
Copy Writer | |
Designer | |
Frontend Engineer | ESSCH |
Producer(Movie) | |
Videographer | Yusuke Maekawa |
Photographer | Takuya Maekawa |
Colorist | Kohei Yonaha |